派遣について概要を知ろう
派遣社員をとりまく働き方について紹介します。派遣の仕組みを理解したうえで、働き方を考えてみましょう。
雇用形態について
派遣雇用は派遣会社と派遣社員、そして派遣先企業で成り立っています。派遣会社に雇用された派遣社員は、派遣会社から依頼されて人材が不足している派遣先の企業に出向きます。企業は、人材が不足しているときに、企業が契約している派遣会社を介して、派遣社員を紹介してもらいます。企業から直接派遣社員に雇用依頼をするのではありません。
このような仕組みになっているので、派遣社員の雇用先は属する企業ではなく、派遣会社です。実際の業務に関する疑問は働いている派遣先企業にしても構いませんが、給与や契約内容など雇用形態についての質問は派遣会社におこないましょう。派遣の働き方として一番の特徴は、雇用先が所属する企業ではなく、派遣会社であるという点です。
派遣の種類
派遣の種類について紹介します。派遣の働き方には、派遣会社と契約をした常用型派遣社員である「正社員」の働き方と、「非正規社員」の働き方があります。そして非正規社員にも「登録型派遣」と「日雇派遣」があります。派遣会社の正社員は派遣先企業がなくなっても契約が切られることはありませんが、非正規社員は派遣先企業がなくなると派遣会社との雇用契約もなくなることになり、無職となります。さらに、非正規社員で「日雇派遣」契約をしている場合は、派遣会社との雇用契約が30日以内となります。
常用型派遣社員を属する派遣会社は、「一般労働者派遣事業」といい、事業展開するためには、厚生労働省から届出と許可を得る必要があります。「特定労働者派遣事業」とは、登録型派遣社員のみの派遣会社で、以前は厚生労働省に届出るだけで事業展開することができました。しかし、2015年に施行された改正労働者派遣法により、特定労働者派遣事業も、厚生労働省に届出を出して許可を得る必要がでてきました。
派遣期間について
働く期間についても違いはあります。派遣雇用期間は原則1年とされ、最長3年まで就労が可能です。同じ業務で3年以上働く場合は、派遣先企業は直接雇用しなければいけませんが、課や部署を変えてもらい、過半数労働組合への意見徴収さえすれば、さらに3年の延長が可能になるので、同一事業所で長期間働くことができます。ただし、無期雇用派遣労働者である常用型派遣労働者であれば雇用期間を気にすることなく働けます。働いていて、自分にあっていると感じても、派遣では短期間で辞めなくてはなりません。
長期間派遣社員として働きたいと思っている人は雇用安定措置という働き方があります。雇用安定措置をとれば、派遣先へ直接雇用してもらうために依頼を出すことができます。また、派遣会社に無期雇用の申請を出すこともできます。新しい職場の提供や教育訓練、その他の雇用安定をはかるための申請も可能です。
無期雇用派遣について
2013年に労働契約法の一部を改正する法律が施行され、同じ派遣先企業のもと有期労働契約の反復更新で通算5年が経過した際、労働者側からの申請が必要ですが、企業側は申請があった場合に拒否することができなくなりました。正社員と同様に労働機関に定めのない契約になりました。同じ課で3年を超えて働き続けることも可能となりました。
しかし、各種手当や労働条件に関しては有期雇用派遣と変わらないので注意が必要です。期間は「無期」になっているので期限はありませんが、正社員ほどの待遇は得られないので、注意しておきましょう。
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